2023/04/07
柄の縁金
刀を抜いた時、柄(握り手)の刃先側に「縁金(ふちがね)」、反対側に「縁頭(ふちがしら)」という部品が付いています。今回は、縁金についてお話します。平日ですが岡崎三郎信康公を偲び、二俣城址と清瀧寺の信康廟を訪ねてみました。二俣城跡は地元で城山と呼ばれ、幼いころの遊び場でもありました。この時期、城跡も廟も山野草のシャガが日陰に群生しています。因みに、花言葉は「私を信じて」です。自然繁殖なのか、誰かが植えたのか。信康の言葉のようで・・・・。歴史に思いを馳せると、武田信玄と徳川家康の所領が接する場でもある当地は、度重なる合戦の場でもありました。私は、二俣城跡の尾根続きにある皆原団地(みなばらだんち)に住んでいました。ここは、二俣城が武田方に落ちた後、徳川方が城を取り戻す為に蜷原砦(になはらとりで)を築いた場所です。地名が蜷原から皆原に変わっています。聞くところによると、この場所で「皆、腹を切って亡くなった。」そうです。幼心に何となく気味の良くない地名だと思ったものです。加えて、造成中のその場所で、写真の「縁金」を見つけたのです。それも脇差か小刀の部品の様で小振りなのです。どの時代の物か分かりませんが、武士かその家族が腰か懐に携えていたと考えると、その人の運命に思いを巡らせてしまいます。帯刀を許された時代があったのだと、思いを馳せつつ緊張感を感じた覚えがあります。